JAXA × FUJICO

II-02:北九州発の光触媒「消臭・殺菌」シート マウスをにおい・菌から守るため、宇宙へ

光触媒「消臭・殺菌」シートを張り巡らせたマウス飼育ケージを搭載した「こうのとり」5号機、打ち上げ成功!

去る8月19日(日本時間の夜)、宇宙ステーション補給機「こうのとり」5号機打ち上げの模様を、TVでご覧になられた方も多いと思います。
ISSの「きぼう」日本実験棟では、世界で初めて軌道上での微小重力(μ〈マイクロ〉G)と、地上と同じ重力(人工的につくりだした1G)という2つの重力環境でのマウスの飼育が予定されています。
今回「こうのとり」には、その飼育用のケージが積み込まれました。飼育ケージの内側には吸水シートが張られていますが、マウスをにおいや菌から守るため、このシートにフジコーが培った溶射*技術で光触媒コーティングをして、「消臭・殺菌」作用のあるシートにしています。

課題1:ケージ内の照明(約50ルクス)でも「消臭・殺菌」効果があること。

軌道上でマウスをできるだけストレス少なく飼うために、ケージにはLED照明が設置され、12時間交代で昼と夜を人工的につくりだします。
ケージ内の光触媒コーティングした吸水シートには、ケージ内の照明の「約50ルクスという低照度でも光触媒(「消臭・殺菌」)効果があること」という課題がありました。

課題2:マウスにとって安全なものであること。課題をクリアして、ケージはマウスのISS到着を待つ。

もちろん「消臭・殺菌」シートがマウスにとって安全であることは大前提です。
そこで溶射で光触媒コーティングしたシートを地上のマウスケージに入れて、マウスがなめたりしても、健康状態が悪くならないか、細かなチェックが行われました。
そこで安全性が確認され、また、その他さまざまな課題をクリアして、消臭・殺菌シート(吸水シート)を張り巡らせたケージは宇宙に旅立ちました。

北九州発の消臭・殺菌シートを搭載したケージは、2つの重力区に設置されて、NASAにより本年度内(予定)に打ち上げられる住人(マウス)の到着を待っています。

※溶射(Thermal spraying)
表面処理加工の一種で、加熱することで溶融またはそれに近い状態にした粒子を、金属等の表面に吹き付けて皮膜を形成すること